切迫早産の診断を受けると不安になりますよね。そもそも切迫早産とは何かすら分かっていない妊婦さんも多いはずです。私自身も妊娠20週の時に切迫流産の診断を受け自宅安静2週間、妊娠22週の時に切迫早産の診断で3ヶ月入院しました。切迫早産とは何か、症状や原因、自宅安静と入院について解説していきます。
切迫早産とは
切迫早産とは、早産となる危険性が高い状態をさし、早産の一歩手前を意味します。
日本では妊娠22週0日から妊娠36週6日までの出産が早産となります。つまり切迫早産は妊娠22週以降、37週未満に子宮収縮(お腹の張りや痛み)により子宮口が開き赤ちゃんがでてきそうな状態。性器出血や破水などで早産分娩となる可能性が高いと診断された場合です。
切迫早産の症状
切迫早産の症状として主にお腹の張りや性器出血、発熱、おりものの異常、前期破水などがあります。詳しく解説していきます。
お腹の張り
痛みを感じるお腹の張りが規則的、もしくは頻繁に続く場合、安静にしても落ち着かない、1時間に4〜5回症状があるなど改善せれない時は我慢せずに早めに受診しましょう。お腹の張りが多いと子宮が収縮し早産につながります。
性器出血
出血にも様々なものがあります。心配のないものから切迫早産などの症状でおきている出血など。おりもののような血液や、サラサラな血液、色や量によっても変わってくるのでまずは病院へ連絡をすることをおすすめします。
細菌感染による発熱、おりものの変化
38度以上の発熱の場合、絨毛膜羊膜炎の可能性もあるため早めに受診しましょう。
風邪などの症状がある場合でも発熱はあるため、自己判断で受診せずに過ごす人もいるかもしれません。あらゆる可能性を考え、自己判断は避けましょう。おりものの変化にも注意が必要です。生臭い悪臭、灰色がかった色、サラサラの液状など、細菌に感染している場合があります。
陣痛より前におきる前期破水
前期破水は量が少なかったり、止まったりすることがあるため、尿漏れと勘違いするケースもあります。勘違いしたまま時間がたつと子宮内感染のリスクが高まるため、ほかの症状と同様に少しでも破水の可能性がある場合は受診しましょう。
切迫早産の原因
ここでは切迫早産の原因について解説していきます。どんな原因があるかを予め知っておくことも今後どのように過ごせばいいのか、心の準備につながるでしょう。
子宮頸管無力症
子宮頸管無力症は自覚症状がないため、妊婦健診などで急に自宅安静や入院などを言われるケースもあり、事前に予防をすることは難しいでしょう。子宮口が開きやすい状態になり、子宮頸管が短くなるため、流産や早産になる危険性も高くなります。
多胎妊娠
子宮内に赤ちゃんが2人以上いる多胎妊娠は、赤ちゃんの成長と共に子宮が大きくなるので、子宮収縮しやすくなります。そのため、お腹の張りや痛みが増え、切迫早産になるリスクも高くなるでしょう。
妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群は妊娠をきっかけとして高血圧や蛋白尿が認められる状態のこと。自覚症状がない中で血流が悪くなることから子宮収縮が起こりやすく、切迫早産につながることがあります。
絨毛膜羊膜炎
絨毛膜羊膜炎とは、赤ちゃんと子宮の間にある卵膜(絨毛膜、羊膜)が感染をおこし炎症につながる疾患のこと。羊膜は赤ちゃんと羊水をつつむ膜のことで、羊膜が感染症にかかると、破れやすくなるため前期破水となってしまうこともあります。
切迫早産の治療法
切迫早産の治療法は症状や原因によって異なります。すべてにおいて安静にすること、無理をせずストレスを溜めない生活をすることも大切です。
子宮頸管縫縮術
子宮頸管縫縮術は子宮頸管をしばる手術のこと。妊娠24週での子宮頸管長の平均は約35mmとされており25mm未満の場合は早産のリスクが高くなります。頸管長が短い場合、症状にあわせて子宮頸管縫縮術をおこなう場合があります。
子宮収縮抑制剤
子宮収縮抑制薬(張り止め)は子宮の収縮を抑える薬です。子宮口が開かないようにするために薬を点滴で投与する人もいます。また点滴を投与するために入院が必要になる場合もあり、薬の副作用で手の痺れや発汗などの症状が出ることもあるでしょう。
抗菌薬
抗菌薬は細菌による感染が疑われる場合や、破水した場合に感染を抑えるために使用します。妊娠34週より前に破水した場合、赤ちゃんの肺機能が未熟なため、自分で呼吸ができる状態になるまで抗菌薬をママに投与し感染を抑えることが一般的です。
切迫早産による自宅安静とは
切迫早産の診断を受けると、頸管長の長さや症状により自宅安静と言われることがあります。自宅安静期間は人によって異なりますが、2週間の自宅安静から入院に至る人もいます。
自宅安静は基本、横になって楽な体勢で過ごすことです。家事や買い物などはしないこと。周りに頼れる人がいない場合は、家事代行サービスや宅配サービスなどを利用することをオススメします。
仕事を休めず在宅ワークなら大丈夫と思う人もいるかもしれません。在宅ワークは長時間、椅子に座っての作業となるため、お腹に負担がかかります。医師に相談し、行動には気をつけましょう。
色々と制限があり、時間があるからこそ心配になることも多いと思います。まずはストレスをためずに、普段は忙しくて観れない映画やテレビを観たり、音楽を聴いたりとリラックスして過ごすことを心がけてください。
切迫早産入院とは
自宅安静をしても状態が安定しない、管理が難しい場合に入院となります。人によりますが数週間から数ヶ月入院する場合もあります。
切迫早産で入院中のメンタルを保つ方法
思いがけない入院生活で不安やストレスを抱える妊婦さんは多いはずです。
まずは1人で悩まずパートナーや助産師さん、主治医の先生に話を聞いてもらってください。そして自分はひとりではない、みんなが周りにいて支えてくれている事を忘れないようにしましょう。 赤ちゃんと自分のためにも、長期休暇をもらったと思って自分なりのリラックスできる方法を探すのも1つの手です。
切迫早産での入院中の過ごし方
主にベッドの上で横になり毎日を過ごします。人によっては入院から退院まで点滴を投与し、お風呂の制限などもあります。起き上がる時はトイレや食事、診察(膣洗浄、注射、採血、頸管長の長さをはかる)などです。
病院によっては洗濯機があり自分で洗濯乾燥をかけたりもします。お腹が張ったり、出血する場合もあるので家族にお願いすることができれば甘えましょう。
診察や食事以外は主に横になって過ごすのでとても時間が長く感じてしまいがちです。そんな時は、下記のような事をして過ごすのも良いでしょう。
※症状や状態によって行動に制限があるので医師に相談してからをオススメします。
- Amazonプライム
- ネットフリックス
- YouTube
- TVer
- 赤ちゃんの小物作り(編み物や刺繍)
- 読書
- 資格にチャレンジする
また、長期の入院になると食事もあきがくるので、お気に入りのふりかけなどを買ってきてもらうのも気分転換になります。
寝たきりの入院生活で、必要なのは人との会話だと思います。メンタルを保つために、同じ病室の仲間と交流することも元気が出る秘訣になります。
ともに頑張っている仲間と励ましあって乗り切ること、時には誰とも話したくない場面もあると思います。自分のペースで入院生活を過ごしてください。
切迫早産入院費
切迫早産の入院費について、長期入院になった場合、高額になってしまうのではないかと不安になる人も多いはずです。また、健康保険や医療保険が適用になるのかなどを解説していきます。
切迫早産は保険適用になるか
健康保険について
妊娠、出産は病気ではないので一般的には全額自己負担になります。ただし、切迫早産の場合は健康保険が適用されるため、入院費や治療費の自己負担は3割になります。
保険対象外のものは、個室を使った場合の差額ベッド代やテレビなどの視聴代です。そのほかにも病院によっては下記のような料金が発生するものがあります。
例
- 冷蔵庫使用代
- 洗濯機、乾燥機使用代
- 診断書作成代
医療保険について
医療保険に加入している場合、切迫早産は給付の対象となります。通常の怪我や病気で入院した時と同様に入院給付金を受け取ることができます。保険会社に確認してみましょう。
高額療養制度とは
1ヶ月の医療費が自己負担限度額を超えた場合、超過した分のお金が払い戻される制度です。ただし、差額ベッド代や食事代は高額医療制度の対象外になります。
入院時に病院の窓口へ問い合わせすると良いでしょう。
参考:厚生労働省保険局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
傷病手当金とは
健康保険の加入者を対象とした制度です。
病気や怪我で仕事につけなかった際に支払われる手当金になります。また、支払い条件もあるため予め勤め先に確認しておくと良いでしょう。
まとめ
切迫早産は誰にでもおこりうるものです。診断を受けたら医師の指示に従いましょう。
また、医療費や入院費なども心配になると思います。手当や制度、保険を利用すれば心配いりません。ただし個室などにすると費用が高くなります。
切迫早産の診断で不安をかかえる妊婦さんは多いはずです。色々なことをネット検索するあまり、余計に心配になることもありますよね。わたしもその1人でした。
まずは主治医の先生や助産師さんの話をきき、自分にいまできることを考え安静に過ごしてください。あなたは1人ではありません!周りにはたくさんのプロフェッショナルがいます。辛いと思いますが辛抱です!
無事に赤ちゃんに会えることを願っています。
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